雨乞い師の話をご存じですか?
心理学者のユングが中国学者のリヒャルト・ヴィルヘルムから聞いた話として紹介しているエピソードです。
私は、昨年、心理学の講義で初めて聞いたのですが、それを機に調べて見たところ、意外と多くのブログで紹介されているので、ご存じの方も多いと思います。
ご存じない方のために簡単にご紹介しますね。
あるとき、ヴィルヘルムが住んでいた地でひどい旱魃があり、数ヶ月に渡って一滴も雨が降りませんでした。
あらゆる人々が祈祷を行なったけれど効き目がなく、他の地域から雨乞い師を連れてくることになりました。
雨乞い師として現れた中国人の老人は一軒の静かな小屋を求め、そこに三日間籠もると、四日目に雲が立ち上り、雪が降るような季節でもないのに、ものすごい吹雪となりました。
ヴィルヘルムが雨乞い師を訪ね、一体どのように雪を降らしたのかと尋ねたら、彼は、自分が雪を降らしたのではないと答えました。そこで、三日間何をしていたのかと尋ねたところ、雨乞い師は、この国は天の定めによってあるべきとされている秩序が保たれておらず、国全体が『道(タオ)』の状態にないため、自身も自然の状態でなく、したがって自身が『道(タオ)』の状態に戻るまで三日間待たなければならなかったと答えました。
つまり、世界が『道(タオ)』の状態でなかったから、自分も『道(タオ)』の状態でなかった。そこで、自分が『道(タオ)』の状態に戻るまで待ったところ、世界も『道(タオ)』の状態に戻って ー天の定めによってあるべきとされている秩序が回復してー 雨が降った ということです。
とても興味深いお話ですね。
自分の外側で、自分の力ではどうにもならないようなことが起きているとき、自分には何もできないのだから受け入れるしかなくても受け入れ難いときがありますね。
そんなとき、自分自身が『道(タオ)』の状態に戻るまで待ってみましょう。
天と地の秩序が回復して、外側で起きていることがあるべき姿に整っているかもしれませんね。
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